ベルリンでのバスケ初日
その日はベルリンの夏らしく、カラッと湿気のない気温30度前後と過ごしやすい夏でした。
スポーツをすれば汗がすぐににじんでくる、しかし日本の夏のように暑すぎることのない、スポーツをするには、いやバスケをするには最高の夏日でした。
前日にAmazon.deでバスケットボールと空気入れを購入した私は、およそ2年ぶりのバスケに胸が踊っていました。ランニングや筋トレのような単調な運動を継続するのはどうにも嫌いですが、バスケはシュートを打つこと自体に、ましてやそれがリングに入った瞬間に快感があります。
ベルリンには至るところにバスケットゴールがあるので、ストリートバスケをするハードルは日本に比べて非常に低くなります。その日は16時頃に強敵(とも)と一緒にキオスクでドリンクを購入して、最寄りのバスケットゴールを目指しました。
そこには2つのバスケットゴールがあります。片方は若いドイツ人同士が1on1をしていたので、私達はもう片方のゴールを使って、シュート練習をしました。その後1on1を終えたドイツ人の1人が、「1on1をしないか?」と勝負を挑んできたのです。
その時の楽しい時間は以下の動画に記録されています。
なんとそのドイツ人は14歳と非常に若い中学生です。その日の1on1は私が勝利を収めました。しかし彼もその日は少なくとも2回目の1on1。疲れもあったでしょう。何よりドイツ人は勝負にクレバーな印象があります。
「ハァハァ。今日はありがとう。明日も一緒にバスケできない?」
ドイツ人中学生から非常に嬉しい誘いでした。しかし困ったことに私は次の日15時頃に仕事の予定がありました。しかし、中学生と遊ぶ約束を破りたくもありません。
「うーん…明日はちょっと厳しいかもしれない。明後日はどうかな?」
するとドイツ人は少し悲しい顔をして、「明日までホリデーなんだ。明後日だと駄目なんだ」と言いました。
このドイツ人中学生は、ホリデーの最後に19歳も上の日本人のおっさんとバスケをしてくれるのか。これは無下にはできないと感じました。
「OK!じゃあ明日また一緒にバスケをしよう!時間は何時?」
「そうだな、じゃあ明日のこの時間にしよう!」
「OK!じゃあ今は16時だね。明日の16時にまたここでバスケをしよう!」
「Tschüss!(ドイツ語でさようなら)」「Tschüss!!」
ベルリンでのバスケ2日目
その日は15時からの仕事を早めに切り上げました。強敵(とも)は予定があったようで、15:50に1人で昨日のバスケットゴールに向かいました。今日はまた汗をめちゃくちゃかくぞ。ということでキオスクで1.5リットルのスポーツドリンクを買って。
そして16時ちょうどにバスケットゴールに到着しました。でも
あいつ(中学生)いねーのな!!
え?うんちょっと待って。よくわかんない。あの明日大丈夫?いやーごめん、明後日は?明後日じゃ駄目なんだ。OK明日にしようっていうあの会話なんだったの!?え?まだちょっと遅れて来る感じのやつ?ちょっとわかんない。
その日は珍しくコートに人っ子一人いなかったので、1人でシュート練習を始めました。
もしかしたら15分や30分してから「ごめんごめん!」と、中学生らしい屈託のない笑顔でコートに来るかもしれません。その時は日本人の、いや年上の富士山より大きな、北海道よりも広い器量で迎えてやりましょう。もしかしたらドイツ人は時間を守ると言われていても、実は時間に厳しくないのかもしれません。いやはや日本人だけですかね、こんなに時間に厳しいの。もうホント私ったら、時間ちょうどに来ないからってイライラしちゃって。もうホントにバカバカバカ!keiKanriのバカ!「馬」に「鹿」と書いて「馬鹿」!なんのためにベルリンに来たんだっての!!さぁーてシュート練習でもして彼を待とうっと。体を温めおいて、万全の状態で1on1に挑もうっと!
でも1時間経っても来ねーのな!!あいつ本当は今日からホリデーだったのかなっ!!
1人のシュート練習で1.5リットルもスポドリなんて飲めねぇっての!今度会ったらまた1on1しようね!Tschüss!