海外に移住するときは絶対に歯医者に行っておいた方がいいぞ!
そして、もっというと、
親知らずも全部抜いておけよ!
というのが私の教訓です。というか海外移住の情報調べると大体こうやって書いてありますよね。私もよく見ます。でもさ、私の下の親知らずなんですが、めちゃくちゃ埋没してましてね。日本の歯医者さんは「あーうちじゃ無理」ってレベルのが2本あったわけですよ。下の2本です。
ドイツに到着してから右下の親知らずが痛すぎて、もう痛み止めをサプリ感覚で飲むようになってしまい、これはイカンと歯医者に駆け込みました。
しかしドイツの歯医者でも、「んーこの埋没具合はうちじゃ無理。口腔外科に紹介状書くから、口腔外科で2本とも抜いてきてね」という流れになったのです。詳しい流れは以下にまとめています。
しかもインフレも正しく作用しておりまして、KeiKanriの親知らず史上最強の親知らずとのことだったのです。
最後の親知らずは左下のめちゃくちゃ難しいやつ
親知らずとは別に歯の根元が歯医者で抜歯できず、それを抜く手術を冷たい印象を持つ(でも実はとても優しいです)イケメンの口腔外科(通称冷たいイケメン)に抜いてもらいました。
その後「あーそういえば親知らずもう1本いつ抜くんだろ。まぁいっか痛くないし」とか思ってたんですが、その1週間後急に口腔外科から電話がありました。ドイツ語だし全然わかんなかったのですが、とりあえず次の週に口腔外科にまた行くことに。
口腔外科につくと、またも冷たいイケメンと握手をかわし「もう1本の親知らずも抜くぞ」と言います。冷たいイケメンはたまに「あれ?これ英語でなんていうんだっけ?」と言うくらい、そこまで英語が堪能ではありません。さらに私の英語力がしょぼいこともあり、正直言っていることのすべてはわかりませんでしたが、Google翻訳を使って以下のことを言っていることがわかりました。
- 前回の右下の親知らずよりも、今回の手術はダメージが大きいこと
- めっちゃ確率は低いけど、顎とか麻痺になる可能性あるよってこと
- でも大丈夫だよ。そこまで難しい手術じゃないよ
- 手術中聴きたい音楽があれば、好きな音楽を持ってきてね
とりあえずもう内容がそこまでよくわかりませんし、彼のことは前回の手術が無痛だったこともあり信頼しています。なのでこう伝えました。
イケメンドイツ人口腔外科医を心を砕くストロングな親知らずの手術
手術室ではまたキング・クリムゾンが流れています。ついに手術が始まります。冷たいイケメンとは硬い握手をかわし、まずは麻酔を注射します。
10分後にまた冷たいイケメンが麻酔の効きをチェックして、歯茎を切開します。少しずつドリルで歯を砕いていきます。時折痛みがあるので、痛みを伝えると何か液体(多分麻酔)をつけてくれます。
ドリルで砕く音とゴリゴリと何かする音を聞きながら、時折冷たいイケメンの「oh..very strong」という言葉が気にかかります。
その後もゴリゴリしたりドリル使ったりしますが、約80分後私の目を覆っている布を持ち上げて、冷たいイケメンは失意のどん底のような顔で私に言います。
「めっちゃストリロング。あなたの親知らずめっちゃストリング」
さらにこう続けます。
「あと15分もすると違う先生がきます。大丈夫、あなたの歯は必ず抜ける」
さらに上の優しいイケメンの登場。そして感動のフィナーレへ
しかし冷たいイケメンはその後も違う先生がくるまで、すんごい落ち込みながらも「大丈夫だよ」と私を励まし続けました。彼はとても良い人。
そして約20分が経過したところで救世主の登場です。前の右下の親知らずを抜いてくれた高身長でめちゃくちゃ優しいイケメン(通称優しいイケメン)のと登場です。
彼は満面の笑みでこう言います。
「やぁひさしぶりですね(笑)必ず親知らずを抜きますよ!」
私は優しいイケメンと硬い握手をかわします。ここからは優しいイケメンがオペを、冷たいイケメンが本来歯科衛生士が行うサポートです。豪華な口腔外科医2名体制によるオペを親知らずで受けたのは、ドイツに住む日本人で私が初ではないでしょうか。物語の最後に、ライバルだった仲間がやっと一緒になって戦うようになった、そんな高揚感に胸が高まります。というか頼むから抜いて!
その後優しいイケメンは速攻で追加の麻酔注射を打ってくれて、私の左下の口腔からすべての感覚を取り除きます。そして簡単にまわりと削った後に
「プレッシャーをかけるよ」
という声とともに左下の歯を引っこ抜きます。
と全然わかりませんでしたが、優しいイケメンの「じゃあ消毒するねー」の声、続く「じゃあ縫うねー」の声で歯を抜けたことを理解します。時間にして約10分。優しいイケメンが私のストロングな左下の親知らずを無事抜いたのです。
どっちのイケメン口腔外科医も本当にありがとう!私の親知らずは全部これで抜けた!