現在のドイツのこの状況、そしてコロナウイルスに関する対策は毎日変わっていきます。
コロナウイルスの対策には様々なレベルでの戦いがありますし、何よりもドイツ政府は人の隔離や「Social Distancing(社会距離戦略、可能な限り人と人との接触を減らす戦略」以外にも、ダメージを受けている人や企業をどうやって至急サポートできるか法的レベルで支援しないといけません。
その情報量はどんどんと増加しているため、すべての法的情報をカバーすることは非常に難しいということ、まずは何卒ご了承ください。
今回の記事では、企業・個人として支払いがなくなったらどうなるのか、及び、ドイツ政府は支払不能者をどうやってサポートできるか紹介していきたいと思います。
本記事内の情報だけでは、不明な点や実際に以下で書かれているような問題に遭遇した場合には、是非遠慮なくご連絡下さい。このような緊急事態では、皆の助け合いが必要です。出来る限りサポートさせていただきます。
- Roman Koudous(ロマン・クドゥス) / 日系企業専門ドイツ弁護士
- メールアドレス:info@koudous-law.de
- Webサイト:koudous-law.com
会社の経営者として、従業員として知っておきたい法律情報は以下にまとめてありますので、こちらも一緒にチェックしてみてくださいね。
【個人の場合】コロナの影響によって、支払が停滞した場合
基本的に個人の場合、多くのサービスを受けて生活していることがほとんどです。
モバイル・携帯電話のサービス、インターネットプロバイダー、車のローンや家賃も月々のお支払いがあります。
会社としての従業員へのサポート(操業短縮など)はあるとしても、多くの企業はコロナウイルスの影響によって、個人に対して我慢を強いる場合があります。例えば会社が休業のために給与は支払われず、その従業員は給料が支払われないので、上記のような個人の支払いが行えずに停滞してしまう場合です。
アパートのオーナーに2ヶ月分の家賃未払いによって解約され、アパートを追い出される可能性はあります。法的にはこういったコロナウイルスの状況でもこういった解約は合法です。
私のクライアントにもまさしくこの状況でオーナーとトラブル中のクライアントがいますし、逆にオーナー自身から「2ヶ月分払わなくていいよ」というケースもみました。かなり厳しくなりそうな場合、まずやるべき対応は是非オーナーやサービスプロバイダーと話し合ってみてください。このコロナウイルスのカオスな状況では、助け合うことが大切です。
それでもどうしても払えない場合、解約を実行するオーナーも残念ながらいます。その不幸な解約をされるドイツ住民に対して、ドイツ政府は「コロナウイルスの影響で、様々な支払いのできなくなる場合は、2020年9月まで支払いを拒否する権利」について、審議未了の議案をすでに出し、来週中に実施を検討しているようです。
ただし、対象契約は3月8日までに締結されなければならず、つまり3月8日以降の契約書は対象外になる予定です。
そして住宅賃貸関係の問題の場合、解約することは禁止することになる予定です。条件としては「コロナウイルスの影響」が必須です。
しかし最終的に全額を支払う義務に変わりはありませんのご注意ください。まだ決定されていない対策ですので、詳細は少し変わったりなどしますのでご注意ください。
【法人・企業の場合】コロナの影響によって、支払が停滞した場合
企業・法人の場合のポイントは「倒産の引き延ばし」です。
ドイツでは会社の支払いの保証ができなくなる、支払不能になる可能性が高い場合、社長は倒産を申請する義務があります。支払不能になることを理解してから3週間以内に申請しなければ、上記「倒産の引き延ばし」で起訴されます。コロナウイルスの影響によって数多くの企業は現在まさしくこの状況です。
審議未了の議案によると「申請する義務の免除」が実施される予定です。とりあえず2020年9月までの申請する義務の免除条件は以下の通りです。
- コロナパンデミックの影響で倒産
まだまだ不透明な部分もありますが、2020年3月22日時点では、取り急ぎこちらの情報しか現在ありませんが、詳細を分かり次第アップデートさせていただきます。
新しい法案が議決されそうですので、是非情報をチェックしておいてくださいね。